令和5年を振り返る。

ひとりごと

年々1年が過ぎるのが早く感じる、なんて言いますが、わかっていてもついつい口にしたくなるこの年の瀬です。

今年は本当に、忙しい1年でした。写真とともに、ちょっと振り返ろうと思います。
下の写真は、1月から12月まで各月の思い出深いひとこまを集めたもの。

ちょっとずつ振り返ってみたいと思います。

久々の忙しいお正月からスタートした1月。
コロナ禍に突入してから、ある意味ありがたかったゆっくり家族で過ごすお正月。
今年は久しぶりにお客様を少しずつお迎えして忙しいお正月でした。

2月は恵方巻、3月はひなまつりのちらし寿司。
コロナ禍から丸安魚店でのご予約販売をスタートさせた行事ごとの特別料理。
すっかり定着して、大勢のお客様からご注文をいただきました。

4月。矢澤酒造店さんの新蔵「可染蔵」お披露目式典後の特別列車で、当店で用意させていただいたお弁当をお客様にふるまいました。その辺の詳しい話はこちらから→「南郷列車」とその裏側と、イベントのお知らせ

5月。矢祭もったいない図書館さんとのコラボイベント。
2度目の開催で、今回はアジを使って2品作り、盛り付けにフォーカスしたワークショップをおこないました。
(5月のイベント)もったいない図書館 × さかな家 = ?

6月は、南郷を楽しむ会特別編。(6月のイベント) 南郷を楽しむ会(特別編)
コロナ禍以前毎年当店で開催していた南郷を楽しむ会を、お店を飛び出して出来たばかりの矢澤酒造店「可染蔵」で行わせていただきました。蔵見学をした後に、カフェスペースで当店でご用意した特別料理(お弁当)をお楽しみいただきました。

7月。台湾の臺北木偶劇団の皆さんのお昼ごはんをご用意しました。
初めての、台湾からのお客様です。英語だったら単語でなんとかコミュニケーションが取れますが、台湾の方とはどうやってお話ができるか…なんて心配はご無用でした。日本語が上手なスタッフさんが何人かいらしたし、今はスマホで簡単に翻訳ができるんですよね。

8月。久しぶりにお客様をお迎えしての新盆が続きました。
そして、それに比例して減っていくと予測していた仕出し料理のご予約…が、減るどころか増えてびっくりした夏でした。

9月。またまた矢澤酒造店さん可染蔵でのお仕事。
店主初めての出張料理です。
お店である程度料理の段取りをつけて、可染蔵のキッチンで仕上げをして料理を仕上げる。緊張感のある仕事でした。お客様に矢祭の食を楽しんでいただきたいと店主が頭を抱える数週間でしたが(笑)良い経験になりました。

10月は…初めてコロナに感染しました。最初に体調を崩したのは店主。
幸い数日寝ただけで特に後遺症が残ることもなく元気に復帰できました。味覚や嗅覚に影響が出たらどうしようと心配しましたが、それもなかったようで一安心。
改めて、健康のありがたさを思うとともに新しい病気の感染力の強さに気を引き締めた経験となりました。

そして、11月。
半年以上準備してきた、102&20。
102&20 思い出に残るひと時を過ごせました。(その1) 
102&20 思い出に残るひと時を過ごせました。(その2)
やっぱり、お客様が楽しそうにお食事をされる姿を間近で見られるのは幸せなことだなあ…としみじみ思ったひと時となりました。そして、私たちはそういう場所を提供するのがつくづく好きなんだなと気づけたイベントになりました。

12月。久々に忘年会の予約などで忙しかったさかな家の12月でしたが、母体である丸安魚店も変わらず忙しかった月でした。「町の魚屋」を求めて町外県外からのお客様も増えました。

1年を振り返ると、本当に様々な方に支えられてここまでやってこられたなあ、思いもかけないお客様との出会いもあったなあ、様々なミッション(笑)で大変だったなあという思いがあふれてあふれて(笑)

「今年は頑張れたなあ」と思えることが、何よりうれしいです。

丸安魚店とさかな家は、もともと店主の両親と私たち夫婦がそれぞれの店を切り盛りしてきました。
そのせいかご利用してくださるお客様層に重なる部分が少なく、全く別の店だと思っていたというお客様も大勢いらっしゃいました。
コロナ禍直前でどちらの店も店主が中心に切り盛りするようになっても、その「区別」は続いていましたが、今年は徐々にその境が私たちの中でもお客様の中でもあいまいになってきたように感じています。
掲げる看板が魚屋であってもさかな家であっても「あそこに行ったら、何かおいしいものがありそうだ」というイメージが定着してきたのかなと。
実は毎回プレッシャーでもありますが(苦笑)、そう思っていただけることが何よりうれしくありがたいです。

人とのご縁を感じた1年でもありました。
ずっと以前に当店にいらしたことがある方が仲介者となって思いがけないお客様を連れてきてくださったり、これまでのつながり以上に深く濃い関係性をもって企画を進めて行けたり。
お客様の中にも「友達の友達」「友達の兄弟の同僚」みたいな、小さな小さなご縁を繋いでくださってお店を訪ねてきてくださった方もいらっしゃいました。

新しい生活習慣が定着したなと実感する1年でもありました。
コロナの感染対策による行動規制が緩んで、確かに出歩く機会が増えたなあと感じる今日この頃ですが、その中で「家で気兼ねなく、くつろぎながら家族でのひと時を楽しみたい」という習慣はすっかり定着したようで、これまでになく仕出し料理のご注文をたくさんいただきました。

そして。

「町の小さな魚屋」を続けることに、誇りと責任を感じる1年にもなりました。
お肉と比べたら魚を食べたい人なんてそんなにいないんじゃないか、わざわざ鮮魚店に行かなくてもスーパーマーケットで手軽に買えた方がいいんじゃないか、何も魚にこだわった料理を矢祭で提供しなくてもいいんじゃないか。
20年前当店がオープンした時にも、店主の両親から丸安魚店を受け継いだ時にも頭をよぎった迷い。
今年は、「山の中で鮮魚店をやること、鮮魚店が営むさかな家があること」に価値があることに気づく瞬間が何度もありました。
それは、お客様がお店にいらしてくださったときに交わしたふとした会話の中にあり、イベントを企画するときに話し合いでも、お料理をお出ししたときのお客様の反応で、鮮魚店でお客様が選ぶ魚に変化があることに気づいた瞬間でもあり。
「食卓にうきうきとワクワクを」これからも魚屋/さかな家としてもお客様に提供し続ける店づくりに力を注いでいきたいなあとこのタイミングで再び決意出来て幸せだなと思っています。

1年間本当にお世話になりました。どうぞよいお年をお迎えくださいね。

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