「南郷友の会」特典「南郷列車」

去る2025年4月6日、矢澤酒造店さん主催「南郷友の会」参加特典「南郷列車」に参加してきました。

今年も、参加された皆さんに車内でふるまう特別仕出し料理を当店でご用意させていただきました。
そちらを少しレポートしようと思います。

3月某日。矢澤さんとの最初の試食会。

店主はその日に向けて考えた献立で料理を、矢澤さんは当日列車の中でお客様にふるまうお酒を持ち寄ってスタート。
一つずつ感想を言いながら、料理の内容についてやどのお酒に合わせるかなどを検討していきました。
上の右の写真がその時用意した試作第1号。
時々矢澤さんの鋭い突込みや質問を交えつつ、和気あいあいと試食は進みました。

水郡線を利用したイベントでの仕出し料理提供は、矢澤酒造店さんとは昨年の南郷列車、JRさんも交えた特別列車の企画で1回、そして当店独自のイベントとしては「102＆20」特別列車とレトロ列車貸し切りの2回と、合計4回挑戦してきた店主。
5回目となる今回は、車窓の風景やお客さんのご飲食の様子などをより具体的にイメージしながら献立作りに取り組めたようです。

今回の目玉となったのが、南郷の今年の酒粕を焼いた「酒粕焼き」。
軽くあぶった板粕が思いのほか良い味で、これに何を合わせたらさらにお客様に驚いていただけるかの実験が始まりました。
干し柿、レーズン、チーズ…いろんなアイデアが出ましたが、その中でも一番が「干し芋」。
ここに少し手を加えてみようということになったのでした。

2回目の試食会は「いつものメンバー（矢澤さん、強力助っ人Gさん、店主）＋α（女将、新成人の娘）」で。
これまで当店が関わったすべての水郡線を利用したイベントで力を貸してくださったGさんとともに。
（そういえば、昨年の南郷列車の試食会も3人そろっていました。こちら→「南郷列車」とその裏側と、イベントのお知らせ）

1回目の内容を更にブラッシュアップさせたものを、再び南郷のお酒と合わせながら。
画面中央、お弁当箱のほか見えるトレイに乗っているのは、焼いた酒粕と干し芋。
実は今回南郷列車の特別料理ということで、普段だったら料理になかなか使えない「純米大吟醸　白孔雀」をふんだんに使わせていただきました。
1回目に引きつづき、2回目の試食会も後半は「干し芋＆酒粕実験」に（笑）
実験を重ねた結果、当日素晴らしい1品に仕上がりましたよ。
そして、いよいよ当日。
…例のごとく徹夜作業となりましたが、これには理由がありまして。それは後程…

素敵な写真でしょう？こちらは、当店のお客様Iさんの作品です。
当日お仕事の都合もあり南郷列車のご乗車はかないませんでしたが、素敵な写真を撮ってくださってプレゼントしてくださいました。

東館駅を定刻通り出発し、列車は一路水戸へ。
花曇りの中、つぼみがちらほらほころぶ矢祭から桜前線の北上を感じつつ水戸へ向かいました。

車内では樽酒や純米酒、普通酒がふるまわれただけでなく、矢澤酒造店の様々なお酒の試飲ができました。
今回はご覧の通り通常水郡線を走っている車両にテーブルユニットを取り付けた特別仕様のもの。
皆さん車窓の風景を楽しみながら、南郷の酒に酔い当店の特別料理を楽しまれていました。

さて今回ご用意した仕出し料理、そろそろ気になってきましたか？（笑）

こちらです。

2024年春　南郷列車　献立　（左上より）

〇春の前菜盛り合わせ
　菜の花からし醤油寒天寄せ　ふき青煮　たけのこおかか和え　ほたるいか山椒煮　桜麩
〇海のもの山のもの
　ほうれん草酒粕和え　つぶ貝旨煮　新巻鮭焼き
〇和のもの洋風のもの
　椎茸唐煮　牛すじコロッケ八丁味噌風味　ミニトマト　レタス
〇ごはん
　金目鯛ごはん桜風味　空豆　桜花塩漬け
〇酒肴
　自家製桜スモークチーズ　在来種さしみこんにゃく
〇酒肴
　大根の皮たまり漬け　自家製ふきのとう味噌
〇本日のスペシャリテ
　南郷純米酒酒粕焼き　干し芋　白孔雀たっぷりのクリームチーズ

試食の際に実験を重ねた酒粕焼きと干し芋はひと手間加えておいしさを増し、更に純米大吟醸「白孔雀」をたっぷり混ぜ込んだクリームチーズを添えてディップしてもらうことになりました。
おかげさまでこちらは大好評。
派手さがないのが当店の良いところ（であり、これから精進すべきところの一つでもありますが…）で、地物の食材・さかな家らしい食材を集め、素材の味を活かしたお料理をご用意できたかなと思います。

合間に客席を回らせていただきお客様ともお話をさせていただきましたが、皆さんとてもいい笑顔でお話してくださってほっと一安心でした。

今回の飛び道具（笑）はこちら。
2回の試食会で出てきたおすすめのお酒の組み合わせと参加者から出てきたコメントを小さな冊子にまとめて、お品書きとして仕出し料理に添えました。
担当はわたくしおかみ。
１枚の紙に印刷してちょっと細工して簡単に作れるから大丈夫！と高をくくっていたのですが、実際には思った以上に時間がかかり、料理の仕込みの手伝いが全くできずほぼ夜通し作業に追われたのでした…

ただ、思いのほかこちらもご好評をいただき、実際車内でもおすすめの組み合わせを楽しまれた方が何人もいらして頑張った甲斐があったなあと喜びもひとしおでした。

南郷列車、参加された皆さんは皆さん楽しまれていて「また来年もぜひ！」という声も早速上がっていたようです。
こちらは南郷友の会に入会された方だけの特典イベント。
今回南郷友の会に入会された方はもちろん、イベントが気になる方はぜひ友の会に入会してくださいね！