気分は「鶴の恩返し」

閉店1時間語の店内調理場の様子です。
客席は既に真っ暗。暖房も全部消してあります。
当店スタッフ、さかな家店主の母、さかな家店主、そして私。
それぞれがそれぞれの仕事を進めるべく、ほとんど無言で作業を進めます。
このときやっていたのは、絹さやと数の子の掃除。
さかな家店主はこの画面の外側で鰊の昆布巻きを煮上げていました。
私?私は写真を撮っていました(笑)・・・その後、もちろん仕事に加わりましたが。
おかげさまで今年は最終営業日の今日まで大勢のお客様に足を運んでいただき、営業中の仕込みはほとんどといっていいほどできませんでした。
お客様がお帰りになり一旦全部片付けてから、今度はおせちの仕込みをはじめます。
当店スタッフは調理補助としてセミプロと言ってもいいほどてきぱき仕事をこなしてくれますが、実は全員主婦。
遅くまでやってもらえば仕事が早いのでしょうが、それぞれの家庭のお正月の準備のことも考えるとなんとも胸が痛むところ。
閉店後1時間くらい作業をしてもらっています。

そしてその後は、さかな家店主と私だけで仕事を進めます。
さかな家店主はとにかく全体を総括する仕事ですから、包丁仕事をしたり料理の味を決めたりしています。
私はもっぱら包丁仕事。
毎年おせちの仕込みの際は梅の形に抜いたにんじんに花びらをつける(包丁でそのようにむく)仕事を任してもらっています。
初めてのときは無理にむこうとしてにんじんを割ってしまったり、どうも形が決まらないこともしばしば。
でもだんだん形が様になってきて、時間も短縮されてきています。
これも1年間の仕事の成果かな、なんて思いながらのひとときです。
今年は更に、これまでやらせてもらえなかった「六方むき」に挑戦。
一息にやらないとむいた面がぎざぎざになったり、包丁の後が残ったりします。
今年さかな家店主がそれを私に任せてくれたのは、きっと私のこれまでの仕事ぶりと今後への期待が込められているからでしょう(そう思いたい・笑)
深夜遅くなって、包丁と食材を手にして立ったまま一瞬寝てしまいそうになる私を叱咤激励しながら、さかな家店主もあちこち走り回っています。

一年間の感謝の気持ちと、まもなくやってくる新年への希望を込めて、今夜も調理場にこもります。
明日は臨時休業。朝からいよいよ仕込みのクライマックスに突入です。
がんばるぞーーー

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 おまけ。
先日娘を送るため東京に出かけた際、さかな家店主の元気の源をお土産に買ってきました。
実は「崎陽軒のシウマイ」、それも「特製シウマイ」に目がないさかな家店主。
特製シウマイはすぐに売り切れるため、おみやげとして買うのは初めからあきらめていました。
が、「ならばシウマイ弁当を」というさかな家店主のそれとない呟きを聞き逃さなかった私。
帰り道の上野駅で3個買って帰ってきました。
深夜、気持ちを奮い起こすために(?)大切に食べていたのだそう。
ちなみにさかな家店主の先ほどの呟きには続きがありました。
「おせちの完成まで後5日。5つシウマイ弁当があったらがんばれるだろうな」って。
実は売店にはきっちり5個、シウマイ弁当が置かれていたのです。
でも、なんとなく恥ずかしくて買えず3つにしちゃいました。
一人旅で3つの弁当を買う私になんとも微妙な笑顔を向けてくれた売店のお兄さん。
・・・私の予感は的中、私一人で車内で食べると思われたようです。
違うからね~(汗)

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