受け継ぎ、使い続けるもの。

ひとりごと

これは、当店で使っている食器の一部。
みんな白地に青い釉薬で竹が描かれている器たちです。
左上から時計回りに焼魚(煮魚)用皿、湯のみ、刺身猪口、そして、小鉢。
これらは、さかな家が始まる前、さかな家店主の両親たちが営む「丸安魚店」で仕出しをはじめた当時から使われている器です。
「昔は自宅で法事や葬儀をやったから、仕出しの注文が多かった。
不祝儀の膳が多かったから、自然と器もこういう色味のものが増えていった」とは
さかな家店主の父の話。

朱で丸安の紋

 

柿柄の小鉢の中に

今でこそ、自宅での法事といっても20人前くらいの仕出しだったらかなり大掛かりな仕出しですが、当時は人数も多く、また同じ日に複数の仕出しを受けたりすることもあったそうで、かなりの枚数の器を用意していたそう。
これらの器は今でも現役で、さまざまなお料理を盛り付けてお客様にお出ししています。

さて。

先ほどの竹柄の器を裏返すと、電話番号が記されています。
器を回収した後、うっかり回収し忘れたときなど、お客様からご連絡をいただくためだそうです。
 写真をよくご覧ください。
「丸安魚店 電話16番」と記されています。
現在、矢祭町では電話番号は市内局番まで加えると6桁。
つまりこの器は、電話番号が2桁のころから使われていたということです。
さかな家店主の父に聞いたところ、「少なくとも40年前から使っていると思う」とのこと。
さかな家店主からも以前から
「古い電話番号に20をつけたのが今の番号。町内の20○○という番号のお店は、早いうちから電話を引いてたところ。
つまりうちはこの辺では16番目に電話を引いたってこと」
という話をしてくれていましたが、その話が本当だとわかる史料(いや、器です)です。
湯飲みには2016の番号。これは現在も使われている番号です。
こちらは仕出し用ではなく、お客様に配るために作られたものなんだとか。

アンティークとか、骨董とか言うには新しすぎるでしょうが、少なくとも我が家にとってはさかな家店主の父、そして祖母や曽祖父も使っていただろう大切な器たち。
同じ器に盛り付けられた料理が、時代によって変化しているのだろうと考えると、なんだか不思議な感じがします。
こうした器、なんと言っても最大の特徴は「丈夫」だということ。
これから先もずっと現役でがんばり続けてくれることでしょう。

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