料理人冥利。というか。

矢祭は農業が盛んな町です。
専業・兼業農家の方はもちろん、家庭菜園をされている方もたくさん。
もちろん、実際に野菜を作っていなくても、ご近所さんからのおすそ分けでいただいたり、直売所で新鮮な野菜を購入したりもできます。

そのためでしょうか、時々お客様から「どうやって作るの?」というお声がけをいただきますが、多くは野菜料理の作り方です。
そういう意味では、これまでで一番お客様の反響が大きかったのは「新じゃが煮っころがし」。
小さな新じゃがを丸ごと、甘辛くつややかに煮てあるものです。
「一度作ってみたんだけど、うまくいかなかったの。どうして?」という声もいただいたほど。
そのほか、特に夏野菜などは成るときは一気にどっさりなることもあるのか、ちょっと珍しい出し方をすると「これどうやって?」と声をかけていただけます。
さて。
先日から、小鉢でお出ししているこちら。

金糸(錦糸)瓜の和え物です。
「そうめんカボチャ」ともいわれます。先日、矢祭町の直売所「太郎の四季」で購入したものです。
熱を加えると、実の部分がこんな風に糸状にほぐれます。
それを醤油・お酢・ごま油などで中華風の味付けで合えてあります。

「瓜」とか「カボチャ」のイメージより、もっとしゃきしゃきしていることもあるせいか、黙ってお客様にお出しすると「これ?大根・・・じゃないよね?」と皆さん頭をひねりながら召し上がっています。
答えをいうと、「あぁ~、そうかそうか」という人、「へぇ~、これ刻んだんじゃないんだ」と興味深そうに見る人いろいろです。
そして、その後例のうれしい一言「これ、どうやって作るの?」。
さかな家店主が仕込みの時間に作っていた通りにお客様にお教えします。

先日も、この金糸瓜でご質問を受けました。
「蒸すの?それとも焼くの?」「熱いうちにほぐすの?」熱心に聞いてくださったのは、ご近所同士で集まった男性のお客様。
「これ、うちの母ちゃんに作ってやったら、おどろくべな~」
「このくらいなら作れそうだな」
・・・さらにうれしい瞬間でした。

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