夏休みの思い出 (写真日記)

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いつもは帰省と言っても、半分以上は「仕入れとご挨拶まわり」という感じで予定がぎっちり入ることが多いのですが、今回はお盆休み直前にダウンしてしまったせいかなるべくそういう予定入れず、のんびり過ごしました。

そんな中家族で出かけたと言える出来事が、実家の田んぼの「ヒエとり作業」。
田んぼの中で稲に紛れて成長する雑草「ヒエ」を引き抜く作業です。
いわゆる「雑穀米」として食べられる「ヒエ(稗)」と両親が言う「ヒエ」は別なものだそうで、田の水を抜き稲刈りの準備をする前に抜き取っておかないと具合が悪いのだそう。
田んぼ用の汚れてもいい作業着をとぬかるんだ田んぼに入っても脱げない長靴をそれぞれ借り、普段なかなか入れない水の入った田んぼの中へ。
足をとられそうになりながら、それぞれが決められた列を進み作業を。
娘はさすがに危ないので畔のそばの草引きをやりましたが、本当は大人と同じ作業がしたかったようです。

私は子供のころ田んぼの手伝いをしたことがありますが、この時期の田んぼに足を入れたのは実は初めて。
数年前「民報サロン」で「あじごはん」というタイトルで田んぼの手伝いをした子供のころの思い出を書きましたが、楽しいというよりは「ほかに楽しみを見つけないとやっていられない」と思っていた手伝いだったのに、大人になった今改めて体を動かすのはとても楽しかったし、ほとんど初めての経験だったさかな家店主や娘も大満足な様子でした。
汗をかきかき稲と稲の間に顔を突っ込み、ヒエやそのほかの雑草を抜いては田の水の中で泥を丁寧に洗い、束にして畔に投げる。
ふと顔を上げると視界全体に緑が飛び込んでくるのは何とも言えない開放感があったし、そばを流れる小坂川のゴウゴウという音を聞きながら、川や山を通り稲の間を吹き抜ける風は何とも涼やかで幸せなひとときでした。

DSC03616DSC03608これは、引き抜いたヒエ。
泥をきれいに流して束ね畔に投げたものを集めて、今度は田んぼの脇のアスファルトのところに並べていきました。
余りに整然とした作業だったので、これはこれで何かに使うのだろうと思っていました。
が、母に尋ねるとこれは焼却処分をするのだそうです。
「肥料にできなくもないけど、もし種が残ってるヒエ(で作った肥料)を田んぼに戻したらまた来年芽吹くでしょう?それは困るから」とのこと。
きれいに泥を洗い落としていたのは、燃えにくくならないためか…と勝手に納得していたら、それも間違い。
「田んぼは肥料を入れたり手入れをしてようやくいい土にする。この土はいい土だから少しでも田んぼに残しておきたいから」。
これは、我が家だけのやり方なのかもしれないけれど、農業の奥深さと作業の美しさに改めて感心したのでした。

私たちが当たり前と思う、各地の田園風景も、こうしたお百姓さんたちの日々の努力のたまもので維持されているのだなと思うと、改めてすごいことだなと思いながらのひとときとなりました。

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