2024(令和6)年を振り返る

ひとりごと

今年もあっという間に過ぎました。
毎年店主が調理場の床掃除をしている間、私はパソコンに向かってこの振り返りをしています。
例年と違うのは、その作業がまもなく年が変わる大晦日の夜ではなく前日であるということと、娘が店主と一緒に床流しをしていること。
今年は能登の地震で始まりましたね。
自分たちにも何か力になることができないかと考え、新年早々から北陸の魚類が入ったときには売り上げの一部を義援金として寄付させていただきました。
多額のお金が寄付できるわけではないけれど、いつも心を寄せていると目に見えてわかることが、一つの支援になるのではないかと考えました。

なかなか北陸の魚が入ってこないという難しさもありましたが(汗)やってよかったなと思っています。

我が家としては、1月娘が成人式を迎えました。
親子であることは変わらないけれど、これまでと何かが変わったという気がします。
大人同士になったという気持ちと、お互いで支えたり支えられたりができるようになりつつあるところ、でしょうか。
5月に運転免許を取得し、当店の移動販売車でお客様にお刺身を配達してくれるようになったのも、我が家にとっては記念すべき2024年の思い出です。まだまだおこちゃまで心配するようなこともたくさんあるのですが、ありがたく頼ることができるというのは嬉しいような、寂しいような。これも、この1年で感じた大きな変化です。

さて。

今年を振り返って一番の変化は「丸安魚店のリニューアル」でしょう。間違いなく。

改装に至った経緯などはこちらのブログ にも記しましたが、いやあ大変でした。
でも、やっぱりどんどん思ったように形になっていくのは楽しいし、毎日少しずつ前に進んでいく様子を間近で見られたのはとても幸せでした。
レジの横に事務作業ができるスペースを造ったり、店主の仕事の様子を外から見やすくしたり、店主の父がお店をやっていたころに使っていた大きな冷蔵庫をバックヤードにしたり、制限がありつつもいろいろに工夫を凝らして使っています。
私たちも以前に比べて格段に仕事がしやすくなり、うれしい限りです。
改装後とにかく一番言われるのは、「明るくなったね」ということ。
照明の数は変わらないのですが、明るい木の壁に反射するようになったからか、それとも床が明るくなったからか、本当によく言われます。
そして、お客さんからの言葉の意味の中には、実は照明の明るさということだけでなく、「元気に営業しているのが外からも見えて、町が明るくなった気がする」という意味合いも込められていました。
大きな事はできなくても自分たちができることをできる範囲で精一杯やることが、地域への貢献になるんだと改めて感じた次第です。

次に思い出深いのは、かつおのわら焼き。
今年はこれまでで一番かつおのたたきを作りました。
親戚や近くの米農家さんから稲わらを分けていただき(一度は麦わらをいただいたことも)、稲の煙の香りをまとったおいしいわら焼きを何度もご提供しました。
メインは丸安魚店での販売用でしたが、さかな家での夏から秋にかけてのお料理ではスペシャリテの一つとして大変人気がありました。
今年はシーズンを通して良いかつおが多く、かつお愛にあふれる地域性もあっていつも以上にカツオのお刺身の人気が高かったのです。
これまでの印象だと刺身は好きだけど、たたきはそんなに好きではないという方が多いと思っていましたが、今年は丸安魚店だとカツオの盛り合わせ(刺身とわら焼きの相盛り)の人気が非常に高く驚きました。

中でも、昨年に引き続き今年もご用命をいただきました矢澤酒造店での日本酒会のお料理ケータリングでは、焼き立てのわら焼きを水に取らずまだほの温かいうちにお客様に召し上がっていただき、大変ご好評をいただきました。
丸安魚店でお客さんの反応が良かった商品をさかな家でもご提供するとか相互作用が生まれた1年でもありました。

その一つが、「おから」。
今年の後半、丸安魚店での売れ筋商品が、店主謹製のおからの煮ものでした。

もとはさかな家でご注文いただいたお弁当に入れるように用意したおから煮。
ちょっと多めに作って丸安にも並べてみようかなという、割と軽い気持ちで作ったのでした。
ところが、びっくりするほど人気が出て(笑)
毎週片道1時間かけて買いにいらっしゃる方が出るほどの人気。びっくりでした。

鮮魚店とおから。鮮魚店でおから。
不思議な組み合わせではありますが、「食卓にうきうきとワクワクを」を掲げている私たちにとってはとてもありがたい驚きでした。

鮮魚店と飲食店、2店舗の切り替えを意識しつつずっとやってきましたが、だんだん私たちもお客さんたちも垣根が低くなってきてどちらでもそれぞれの良さを活用できるようになったのはとてもうれしいです。

そして最後の2024年の思い出は、地域おこし協力隊とのコラボイベント、です。

詳細はこちらのブログをぜひ。その2もあります

「煮魚を読み解く」と銘打ったこちらのワークショップ。
手順を追うだけでなく、それぞれにどういう意味があってやるのかをまさに読み解くワークショップでした。

ワークショップまでの地域おこし協力隊の3人の熱意と努力に心打たれたことは先のブログでも紹介したところですが、その後このワークショップに参加された方から「あれから煮魚で失敗しなくなった」「家族や友達にもコツを教えて喜ばれているのよ」などと声をかけてもらいました。

これまでやってきたワークショップやイベントなどでも、お客さんに「楽しかった」と言っていただき嬉しかったという経験は何度もあります。

でも、自宅での食事作りの際にこのワークショップの内容を活用しているとか、参加してくださった方の身についたといわれることはとても珍しく、本当に協力隊のみんなと頑張ってよかったなあと心から思いました。

一緒にこの企画を考えてくれてありがとう。
そういう仲間ができたことに感謝感謝です。

新しい1年ではどんなことが待っているでしょうか。
ドキドキハラハラしたり、ドタバタ駆け回ったりしながら、私達もうきうきとワクワクを感じられる1年になれたらいいなと思います。

 

みなさんにとってもどうぞ、素敵な一年となりますように。

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