祈りを込めて!

大地震が起きるちょうど1週間前から、店内に手ぬぐいを使っている場所が増えたの、お気づきでしょうか?
これまではカウンター席向かいの壁に1箇所、額に入れて飾っていたのですが、今は調理場の入り口に暖簾代わりにかけています。
「あれ?もしかしてここに手ぬぐい、いいんじゃない?」
とふと思ったのがいつも行く手ぬぐい屋さんのディスプレイの前。
暖簾になりそうな手ぬぐいを探し出し(そしていくつか買い求めて・笑)、以前購入していたカーテン用のクリップを出してきたら・・・あら、長さといい雰囲気といいちょうどいいんじゃない?と、即採用。

本当は地震の頃、こちらの「ひとりごと」でご紹介しようかと思ったのですが、さすがにそんな気分にはなれず。
かなり気も滅入っていたのでしょう。写して保存しておいたはずのそのときの画像すら残っていない(苦笑)
確かそのときは、カウンターの額には高山祭(春)の、暖簾としては「たけのこ」「網代」の手ぬぐいを使っていました。

季節はこんなときでもゆっくり巡り、そろそろ新緑の季節。
額入の手ぬぐいもあれから何枚か柄を変え、今日から山菜に変わりました。
・・・炊飯ジャーの蓋が写っているのはご愛嬌(苦笑)
フキ・ワラビ・ぜんまい・つくし・こごみ・・・これは購入してから毎年この時期にカウンターを彩ってくれる1枚です。
大体飾るきっかけは、誰かが「ほれ、採ってきたぞー」と山の恵みを届けてくれたとき。
お客さんに「山菜シーズン到来で~す」という気持ちを込めて飾っていました。
今年は・・・ちょっと気分が違うかな。
「春の山の恵みを、これからも安心して食べられますように」と思いながら選びました。
毎年ゴールデンウイークになると必ず現れる「山菜狩りの無法者」は、今年は出没するかなあ。

調理場の入り口は2種類の手ぬぐいを。
左は新緑の木漏れ日をイメージして。確か名前もそんな感じだったかな。
右は一昨々年購入したお気に入り。
お気に入り過ぎて何度も何度も使っていたので、布の風合いは柔らかくなったけどその分柄も薄くなってきてしまいました。
これは、娘が幼稚園のときに遠足で出かけた「アクアマリンふくしま」で購入したもの。
(そのときのブログはこちら)

先日メールマガジン「さかな家からのお知らせ 第84号」でもご紹介しましたが、アクアマリンふくしまは津波による被害が大きく、現在休館中。
家族で何度もでかけた思い出深い場所が被災したと知ったときはショックだったけど、再開に向けて職員の皆さんが頑張っていると知りパワーをもらったような気がしています。
アクアマリンでの思い出とともに・・というつもりで今回こちらを選んだのでは、実はなく(笑)
おとといのニュースを読んで、くたびれているこの手ぬぐいをどうしても飾りたいと思ったのでした。

カツオ漁来月再開へ 復旧の先駆けに (以下転載)
東日本大震災の津波の影響で大きな損害を受けた、いわき市の県旋網(まきあみ)漁協は24日までに、5月下旬にもカツオ漁を再開する方針を固めた。野崎哲組合長は「漁業復旧の先駆けとして、何としてもいわきに水揚げしたい」と話している。
震災による津波で、同組合に所属する7隻のうち4隻が損傷した。残った3隻に、同漁協が所属する北部太平洋まき網漁連から1隻を借り受け、4隻1船団を組み操業する予定。水揚げしたカツオはサンプルとして放射性物質検査を依頼する。
例年、カツオの初水揚げは4月下旬ごろ、中之作か小名浜漁港で行われている。昨年6月にはいわき産カツオのPRのため、カツオのまち活性化推進協議会が発足し、7月に初めて「いわきのカツオ祭り」が開かれていた。(2011/04/25 11:50)

もうくたびれて色も褪せてしまったこの手ぬぐい。
普通に写しただけでは柄がよくわからなかったので、少々明るめに加工。
波と浜千鳥と大漁旗の柄です。
アクアマリンふくしまの外、港までの道のところに大漁旗がたくさん飾ってあるのを見たことがあります。
すぐに昔のように、とは行かないけれど 早く大漁旗を掲げた漁船がいわきの港に戻ってきて、美味しい魚が食べられるようになるといいなあと思いながら飾りました。

この手ぬぐいはものすごく芸が細かく、大漁旗にはちゃんと「いわき」って入っているんですよ。

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