今年もようやく、おせちをご注文くださったすべてのお客様のもとに届いたようです。
毎年、おせちが出来上がるまでは果たしておせちの完成が大晦日に間に合うのかが、地方発送分が完成すれば年をまたぐ前にお手元に到着するかが、そしてすべてのおせちがお客様に届いた後は期待通りのものをお渡しできただろうか、とドキドキします。
今年もやはり例によって、ではあるのですが…例年とは違う気持ちも胸にわいてきています。
コロナ禍において変化せざるを得なかった、お店の営業形態。
完全予約制・お任せ料理でのご提供とさせていただいたことはもちろん、丸安魚店との両立は思いのほかおせちづくりに影響を与えました。
これまでのおせちの献立は、日ごろさかな家でお出ししていた料理をたたき台に、お客様の反応をダイレクトに感じ会話をヒントにアレンジを加えて仕上げていました。
忘年会で連日多くのお客様がいらっしゃると、忙しい中にも料理のいくつかにちょっと変化球を出してみて、反応が良かったものなどがそのままおせちに登場するなんてこともありました。
でも今年は、そういう機会がぐっと減ってしまいました。
数少ないチャンスの中で、これはと思ったものをいくつかおせちに加えました。
一方で、丸安魚店でのお客様とのやり取りは日々の暮らしに直結していて、いろいろ勉強になりました。
昔はよかった…とコロナ禍以前のことを思うよりも、今できることを精一杯やろうというスタンスで前に進んだ1年でした。
昨年から始めたLINEの丸安魚店公式アカウントでの日々の配信。
おかげさまで今年も多くのお客様にお友達になっていただき、単なる商品のやり取りだけでなくご来店せずともまさにリモートで直接お客様とのつながりを深められたなあと思います。
また、出張販売やYoutubeチャンネル開設など新たなチャレンジも続きました。
直接お店で顔を合わせなくても、自ら動けばお客様とつながることができる(できた)と感じられたことは、おせちづくりでも大いに参考になった気がします。
そして、人と人とのつながり。
毎年のことながら、当店のおせちのために「今年はどのくらい必要?」と気にかけてくださる方々の存在。
鮎や柚子、干し柿やいくら、大根など多くの方々に支えられて、食材を集められました。
盛り付けは、今年大活躍の盛り付けガールズたちが。
周りのいろんな人たちの力を借りて完成したおせちです。
さて、能書きはここまで(苦笑)
令和4年を迎えるためにご用意した、さかな家のおせちです。
どうぞご覧ください。
三段重
**壱の重** 祝い肴と口取り
田作り 五色なます柚子釜 数の子土佐漬
あわび旨煮 からすみ
伊達巻 丹波黒豆紅白千代呂木 紅白蒲鉾
いかにんじん 栗金団 飴掛けくるみ
**弐の重** 焼き物と酢の物
さわら南郷酒粕みそ焼き メカジキ柚子ジャム焼
常陸牛和風ロースト 鮎ちまき いか松風 金柑密煮
いくら土佐醤油漬 干柿チーズ巻き 柚子〆鯛絹田巻
在来種玉合わせさしこん りんご蜜煮 香味ちりめん
菊花かぶ 栗渋皮煮 黒豆ごま団子 茗荷子酢漬け
あぶらぼうず南蛮漬 すだち
**参の重** 煮物
筑前煮(里芋・椎茸・蓮根・蒟蒻・高野豆腐・筍・鶏肉・牛蒡・絹さや)
梅花人参 車海老旨煮 くわい黄金煮 たたきごぼう
天然あゆ昆布巻 ねぎ豚カツ 鶏塩麹漬け飛騨ねぎ和え
空豆青煮 梅麩 木の芽
2段重
三段重のものから見繕ってお料理を詰めました。
壱の重は三段重と同じものです。
1段重
今年はさらにお客様からご依頼をいただき、1人前のおせちをご用意いたしました。
コンパクトながらおめでたいお重に仕上がったかなと思います。
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