今年1年を振り返る。

例年はその年の｢ひとりごと｣を読み返して1年を振り返るのですが、今年はその材料がない(涙)
まあ、思い出したことをつらつら書くことにします。

今年は｢挑戦」の年でした。
特に食べること、食べるものを作ることに関して今年はたくさんの挑戦をしました。
自家製のウスターソースを作ったり、トマトケチャップを作ったり、人気が高かった｢レモンスカッシュ」のシロップを作ったり。
ごく最近では｢鶏の塩煮」もそう。
材料は鶏手羽と大根･ニンジン。
火の入れ方に細心の注意を払ってじっくりと煮て作るのですが、調味料は塩しか使っていないのに大変深い味わいの料理になります。
煮ている間何度も何度も鍋を覗いて余分な脂やアクをすくっていく手間はありますが、でもそれ以外何もしないでものすごく美味しい出汁がとれるし、料理に変身するのです。
そういう料理が少しずつ増えてきているような気もします。

ウスターソースなんて、買ったらすぐ使えるしなんと言っても安くて便利。
でも、1から自分で作ってみるとウスターソースって野菜のエキスの酢漬けなんだなあなんて気づいたり、複雑だと思っていた香りの意味がわかったり、それに何より美味しい。
レシピ本を読んで｢どうしてこんなことするのかな？」と思ったことの意味がわかって、野菜の旨みをじっくり引き出す時間が面倒でももったいないものでもなく、とても大切なひとときであると気づけました。

｢簡単」「スピードクッキング」って言うのが今料理の主流のようで、本屋に行って料理のコーナーに行ってもほとんどそういう類のものが圧倒的に多いです。
ゆっくりつけたほうがいいと思われる漬物でさえ、「あっという間に出来る」手づくりレシピの多いこと。
それはそれで、時間のない中家族の料理を作る方にとっては必要なことなのでしょう。
だからこそ、｢ゆっくりじっくり」という料理に取り組んでいくことの大切さや意味に気づけた経験は貴重だなあと思っています。

最新流行の料理を追いかけることはあまりしなかったけど、料理の根っこの部分をより深く掘り進めたんじゃないかなあと思える1年でした。

そうそう、多くの出会いもあった1年でした。
食材やお酒やその他もろもろの｢一生懸命作っている人たち」とのありがたい出会いです。
たとえば、レモン。
今や当店で使うすべてのレモンは、愛媛県岩城島の岡野農園さんから送っていただいている国産低農薬(皮をかじっても安全なレベル)のものとなりました。
岡野さんとFoodexJapanでお会いしていなくても、いつかどこかで｢国産低農薬レモン」と出会っていたかもしれないけれど、実際にお会いしてお話させていただくことで、届いたレモンがただの商品じゃなくて｢岡野さんが作ってくれたレモン」と言う血の通ったものになることが本当に嬉しく感じられました。
これまで以上に地元の直売所に足を運び、その中で料理の構想を練ることが増えたのも、そんなことが影響しているのかなあと思います。
こんな書き方をすると「いやあ素材にこだわってるんだねえ」なんていわれるのですが、｢素材にこだわっている」というよりは｢真面目にものづくりに対峙している人たちとのつながりを大切にしている」と言うほうが強いかもしれません。

さて、娘ですが。
絵を描くことよりも文字の方に興味があるようで良く手紙を書いてくれます。

こんな感じ。
良く書いてくれるのは｢遅くまで仕事頑張ってね｣みたいな感じのこと。
しょっちゅう書いてくれるので、文章自体には新鮮味はないのですがいつも心が温かくなります。ありがとう。
それと、｢○○ちゃんには負けない」｢絶対に○番になる！」みたいな競争意識より｢私は頑張ったからいいの」なんて言っている娘。
今年の最高傑作は、幼稚園のマラソン大会の練習のお話。
「あたし、前より2点も増えちゃったよ～早くなったんだよ～」
｢点？ってなあに？」
｢昨日は10点(10位のことらしい)だったのに、今日は12点になったんだよ。
　2点も増えたんだよ～！！（喜)」
･･･ってな具合。
最近は小さいときに買った小さな小さな自転車を補助輪なしでも乗れるようになりご機嫌。
身長にあった大きさの自転車だったらもっと余裕があるだろうな(笑)
自転車に乗っているときなら、｢小麦粉持ってきてくれる？」とか｢これ、持って行って」なんていう、普段なら「やらな～い」って簡単に断られてしまう雑用も｢配達しまーす」なんてご機嫌でやってくれるから大助かり。
来年は家族でサイクリングに行ってみたいなあ。