<金目鯛の桜蒸し>
赤米を混ぜて炊き上げたご飯に金目鯛と桜の葉を巻き、蒸しあげました。
銀餡をかけた上に、桜の花とわさびをあしらいました。
蓋付きの器に盛るので、蓋を開けた瞬間ふわっととってもいい香りが漂います。
ご飯がほろほろと崩れるので、銀餡を一緒に召し上がっていただくと美味しいんですよ。
いかにも「春!」という一品です。
<新たまねぎの茶碗蒸し>
じっくりことこととやわらかく煮た新玉ねぎで茶碗蒸しを作りました。
ピューレ状になって茶碗蒸しの地に溶かしこんであります。
新玉ねぎの甘みや旨みは十分に味わえるのに、あの独特のシャリシャリした玉ねぎの食感はないので召し上がった方は「どこに玉ねぎが??」って不思議に思われるみたいです。
べっこう餡と上に乗せた具(この時はブロッコリーと海老)で見た目にもきれいな一品。
娘もこの茶碗蒸しが大好きです。
<新たまねぎと生あおさのかき揚げ>
初めて、生のアオサのりが手に入りました。
瀬戸内でとれたものです。
しかも、今回はこの時期にしかない若芽。
新緑と同じ淡いグリーンが印象的。
生で食べても十分おいしく、お客様にはざっと洗ってポン酢をかけてお出ししましたがこちらも好評でした。
天ぷらもおいしいとのことだったので、新玉ねぎと合わせてかき揚げに。
食べると、最初に新玉ねぎの甘みが楽しめて、その後ふわっと磯の香りが漂います。
これ、おいしいですよ。
この時期だけの贅沢な味わいですね。
震災からもうすぐ1カ月。
寝ても覚めても、地震・津波・原発事故のことが頭から離れることはありません。
自分に何ができるのか、なんてことも常に考えています。
義捐金・募金・救援物資・ボランティア…
いろいろ出来ることはあるのだろうけど、まず第一にしなくちゃいけないのは「自分の足元を固めること」。
旬の食材をいかに美味しく料理し、楽しんでいただける一品をお出しできるか。
すぐに現地に飛んでいくことはできないけど、私たちが心をこめてお出しした料理で「よし、頑張ろう」と思ってくださる方が一人でも増えれば、いつかは現地の力に変わっていくんじゃないのかな、と今は思っています。
日本は美しい国です。
そして、季節の美味しいものがたくさんあります。
ご紹介した料理はおかげさまで大変好評だけど、いつでも食べられるものではありません。
季節の、もっと言えば今日この食材が集まったからこそ出せる味です。
来週、1カ月後同じ材料が集められない。
だからこそいいんじゃないかなと思います。
ただ一方で、心配なこともあります。
たとえば、アオサ。
海がこれ以上汚染されてしまったら、二度と食べられません。
たとえばお米。たとえば、桜の葉。
例えば新玉ねぎ。
畑が、田んぼが高濃度の放射線量を示してしまったら???
毎年当たり前のように手にし、作っていた料理が、実はものすごく贅沢でありがたい自然の恵みだったことを今更ながら感じています。
来年も、再来年も、私がおばあちゃんになっても、季節の恵みを楽しめる場所でありますように。
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