やってきた。

 
お店にヤリイカがやってきました。
「やってきた」とはなんとも変な感じですが、発泡スチロールの水槽に入って生きた状態で来たのだからやっぱりそんな感じです。
そーっと近づいて見ると、半透明の体とひらひら動くエンペラの部分、それに青い目がすごくきれい。
でも、水槽を叩いたりちょっとした衝撃があると、体が真っ赤に変わって動きが激しくなりました。
・・・娘が覗いた時、何かヤリイカの虫の居所(笑)が悪かったのかいきなり水面から体半分飛び出して、かなり驚かされていました。
日中は丸安鮮魚店で、夕方からは当店の玄関先でお客様に見て戴きました。

皆さん興味津々ながら、なんとなく遠巻きにそっと見る感じ。
普段人気のヤリイカですが、生きた状態のものを見るということはなかなかないので損な反応だったのかなあと思います。

夜。

「せっかくだから食べてみよう」

さかな家店主の一言で、試食が決定しました。
中でも一番弱っていそうなイカをサッとすくい、さかな家店主がサッとさばきました。
胴体と足の部分を最初に切り離し(墨をはかないようにするためだそう)、その後、ワタと身を分けました。
水槽で泳いでいた時と同じ半透明のままの身を刺身にすべく細切りにしていくと、切ったそばから身がキュッと縮みました。
このときばかりは、おいしそうと言う気持ちよりも可哀想という気持ちのほうが先に来ました。
ゲソはお醤油に漬けると逃げるように動き回ります。
「ありがたく、戴きます」と2人で言って試食をしました。
ヤリイカはコリコリパリパリとした食感が特徴的ですが、今まで味わったもの以上に歯ごたえがありました。
でも硬くない。そして、なんともいえない甘み。
美味く表現できませんが、半透明のみと同じくにごりのない澄んだ味でした。
塩やレモンと一緒に食べると、なお一層その美味しさを楽しめました。

いやあ、贅沢!そして、「食べる」と言うことを改めて考えたような気がします。
「いただきます」と言う言葉の意味が、よくわかるありがたく美味しい体験でした。

・・・写真はなし。切ってからすぐ慌しく試食をしたためです。

コメント

  1. むらぱん より:

    生きたイカをさばいたお刺身は、テレビで見たことしかなくて、とっても食べたいと思っているものなんだよね。

    いいなぁ~、食べたいなぁ~。

  2. sakanaya より:

    **むらぱんさん
    実は私も初めてです。
    「テレビみたいだ~」と感激する間もなく、元気がいいイカを食べるのに精一杯と言うか(笑)
    でも、テレビみたいにおとなしくなかったかな。身が・・・

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