11年目に突入したさかな家ですが、さすがにいろんなものにガタがきて、あれこれ修繕したり買い替えたりしています。
十年ひと昔、とはよく言ったもので、出費が続くのは大変だなあと思いつつも10年前にない機能が普通についていたり、電化製品の消費電力がかなり少なくなってたり、そもそもそれ自体が小さくコンパクトになっていたり、とにかくいろんなことに驚かされます。
無駄な買い物はなるべくしたくないなあと思いつつ、ですが、買い物を通じて世の中の流れとか嗜好を感じられるような気分にもなっています。
さて。
「ごとく」が壊れました。
「ごとく」ってご存知ですか?
コンロの上に置いてある、鍋などを置く部分のことです。素材は「堅牢な鋳物製」とのこと。
その、ごとくが、壊れました。先週の木曜日のことです。
こんな感じ。その2。
どうしてこんな形で「割れた(折れた?)」のかわからないのですが、中華鍋を使うためにごとくに置こうとしてさかな家店主が気づきました。
取れてしまった小さいほうのごとく(の残骸)を取り除いて、大きい方だけでとりあえず使おうともしてみましたが、やっぱり鍋が安定せずダメ。
ここのところ大きな鍋でぐつぐついろんなものを煮たりしていたので、そういう時に壊れなくてよかったーっと胸をホットなでおろしました。
写真を見ていただいてもわかるように、当店で使用しているのは大きいコンロが2つ、小さい(と言っても家庭用のコンロの大きい方より大きいです)コンロが1つ。
そのうちの1つが使えなくなったということは、2/3しか仕事が進まない、と思ったら大きな間違いで。
仕事の効率が半分にも、それ以下にもなってしまいました。
というのも、忙しいときはこの3つのコンロは一度に全部使うことになるのですが、それぞれがいつも別々の料理を作っているわけではありません。
たとえば、ハンバーグを仕上げながら鉄板を温め、別に注文いただいた揚げ出し三種のつゆを温めはじめる、とか。
ハンバーグの場合(なんでハンバーグにこだわるんだろう??笑)は2つ一度にお出しするのに、2か所で鉄板を温めるなんてこともあるし、時間差でご注文いただいたアサリの酒蒸しをそれぞれに鍋で作り始めながら、手羽先のたれを熱して…とか。
1つずつの料理を仕上げながら、次にお出しする料理の準備をしていくことが3つだとスムーズにできるのですが、2つになるとそれがなかなか難しい。
もたもたもたもた、進まない仕事に悶々としながらの日々です。
ようやく慣れてきた今日。
新しいごとくが届きました。
新しいごとくは、角々していて、真っ新できれい。なんとなく初々しい感じ。
でも隣の、壊れてしまったのと一緒に10年前にお店に来たごとくに比べて、頼りなげにも見えます。
これから、またたくさんの美味しいものを作り出してくれることでしょう。
大事に使いたいと思います。
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