9月に入りました。
当店にとっては、開店記念のとても大切な月です。
いつもお世話になっている業者さんからとっても立派なお花が届いたり、お祝いのメールを頂戴したり、一気にウキウキと心沸き立つ雰囲気になっています。
そんな時に、これをブログにアップするのは野暮だよなあ…と思いつつ。
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最近、ご来店の際にスマホやタブレットをお持ちになるお客様が本当に増えました。
スマホはもちろん電話として使うため、ということもあるでしょう。
料理や一緒にいらっしゃった方(お友達やご家族)の写真を撮っていらっしゃる方もいます。
また、当店での様子をSNSに投稿してくださる方もいらっしゃいます。
当店のことをお友達やお仲間にご紹介してくださることもあり、とってもありがたいと思っています。
ただ、一方で「ん?」と心に引っ掛かることも増えました。
それは、「店内で動画(または音楽)を楽しまれる(方がわずかながらいらっしゃる)」こと。
たとえば、小さなお子様を飽きさせないため好きなアニメを、とか。
たとえば、お仕事で製品を紹介するためのもの、とか。
たとえば、お友達同士で出かけた先で撮ったもの、とか。
たとえば、自分で作った(もしくは映った)もの、とか。
どれも、その時に見たい、見せたい、見なくちゃいけない、と、それぞれ思われるのかもしれません。
そして、どの気持ちも、本当によくわかるんです。
それに、そうしているときのお客様は楽しそうに過ごしていらっしゃるのも事実。
でも、ちょっと心が痛いんです。痛いというか、もやもやするんです。
ほかのお客様も、同じようにさかな家でのひとときを楽しんでいらっしゃる。
その時に、そういう音が聞こえてきたらどう思われるだろう、と。
ほかのお客様にとっては、それは「余計な音」です。
もちろん、大きな声でお話しされるお客様がいらっしゃり、店内がにぎやかな時もあります。
それだって迷惑だ、と思われる方もいるかもしれません。
が、それとお店で過ごすひと時の中で生まれる音とは違うと思うんです。
「じゃ、音が小さかったらいいのか」と考えてみました。
もしくは、「店内にそのお客様以外いらっしゃらなかったとしたら」と。
それだったらいいんじゃないのかな…とは思ったのですが、では、その動画(または音楽)を楽しまれている最中にほかのお客様がいらしたらどうしようと考えました。
お客様は、その動画(または音楽)を中断してくださるか。または、こちらからそうお願いした時にお客様の楽しい気分に水を差さないか、と。
また、こんなことも考えました。
「じゃ、スマホでテレビを見ながらでもOKなのか?それと何が違うのか。」と。
そして、「結局、どっちも野暮なんだよなあ…」とも。
楽しいひとときと、それに彩りを添える料理やお酒を提供するのが私たちの仕事だと思っています。
どんなお客様も大切なお客様です。
また、お店の雰囲気は私たちだけで作っているわけではないと思っています。
ご来店くださったお客様一人一人が今のさかな家のスタイルを作って下さっていると思っています。
動画(または音楽)を楽しんでいらしたお客様は、どの方も「雰囲気を悪くしてやろう」と思っていらしたわけでは、絶対にありません。
だからこそ余計に、「これまでお客様と作らせていただいた『さかな家』とは違うんじゃないか」と思ってしまうことに、少しの申し訳なさを感じるんです。
そして、それこそ「野暮」だと。
最後に。
今回こうしてここに書いたのは「お願い」をしたかったからではありません。
一つは、この件については今後もさかな家店主と考えて行こうと思っているという「ひとりごと」と、
これまで「さかな家」を育ててくださったお客様が、よい方向へ向かうヒントをくださるんじゃないかなという「期待」です。
しつれいいたしました。
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