今年も矢祭町産の柚子を使って、「柚子のはちみつ漬け」を仕込みました。
柚子の皮と果肉を細かく刻んで蜂蜜につける、当店おせちの定番料理です。
以前は包丁で黄色い皮の部分だけを薄く削いでから刻みました。
削ぐだけでかなりの時間がかかる上に、指先から手のひらまで黄色く染まるほどでした。
数年前、皮をピーラー(皮むき)で剥いてしまえば簡単だとわかってからは、随分仕事が楽になりましたが、それでもやっぱり時間がかかる・・・
と思っていたら、今年はなんとさらに便利に。
海外の料理番組を見て、「これは使えるかも」と購入したのはチーズグレーター。
これを使うと、皮を適度な大きさにおろしてくれるし、安定感もあるし、おろした皮はたまって飛び出してこないしで、とっても便利。
多少周りがちらかってしまうけれど、それを片付ける手間を差し引いても十分時間短縮になりました。
一気にまとめて皮を下ろし、その後苦くて使えない白い皮の部分をはずし、種をとって・・・ぐんぐん仕事が進むので、あっという間に保存瓶1本分になりました。
左は作業途中の様子。
種は種、ワタ(白い皮の部分)はワタ、そして保存瓶。
昨年はワタは全部捨ててしまって、種はとっておいてきれいに洗って干してからホワイトリカーにつけました。
「種をお酒に漬けると、化粧水代わりにになるのよ」と教えていただいたからです。
(実際に効用効能があるかは不明。
悪くは無かったのですが使い切るのに時間がかかってしまったのが難点)
昨年はしばらくそれを使っていましたが、今年は「ごめんなさい」と処分。
その代わり今回は、昨年捨てていたワタを全部とっておきました。
というのも、以前大正琴の集まりを当店でしてくださったとき、地元のご婦人が作っていらした「柚子皮のシロップ煮」がとっても美味しかったのを覚えていたからです。
「作り方?適当よ、適当」なんておっしゃっていましたが、ご一緒された皆さんが「この人が作るのが一番美味しい」と太鼓判を押してらしたのでした。
うまくいったかはわからないけれど、とりあえず記憶を頼りに完成。
ほんのり苦味があって、柚子の香りが漂うシロップ煮が完成しました。
これは年が明けたら、デザートに使ったり焼き物に添えたりして使う予定。
柚子は捨てるところが無いですね。
おせち料理は、食材を大胆に切り落としたり一番美味しい部分だけを使ったり、とかなり贅沢なつくりになっています。
でも、使わない部分も少し手を加えてとっておけば、また新たな料理に生まれ変わります。
これが、おせち料理の醍醐味といえば醍醐味かな。
もうひとつ。
おせち料理の仕込み中からしばらくの間、そういうわけでかなり食材が豊富だということもあり、実はお通しが豪華(贅沢というわけではなく、手をかけた物という意味)に成ります。
そちらも、どうぞお楽しみに。
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