「第7回 南郷を楽しむ会 その2」開催いたしました。

南郷を楽しむ会
本日のラインナップ。…というか、今手に入る南郷さんのすべての銘柄をお楽しみいただけるのが、当店の「楽しむ会」の醍醐味。

去る2/29(土) 「第7回 南郷を楽しむ会 その2」を開催いたしました。
例年この時期に1回開催していた「南郷を楽しむ会」でしたが、お客様に告知する前にご予約でお席が埋まってしまったため、急遽1回追加開催が決まったのが今回の「その2」です。

その1の様子はコチラからどうぞ
(ご報告)第7回南郷を楽しむ会(その1)を開催しました。 Part 1
(ご報告)第7回南郷を楽しむ会(その1)を開催しました。 Part 2

また、既に「その2」のレポートがいくつか出ています。そちらもどうぞ。
第7回南郷の会(その2)が紹介された。

いろいろと初めて尽くしの会となりました。
一つ目は、先ほどご紹介した通り同じ回の2度目の開催となった事。
二つ目は、毎年恒例だった酒蔵見学を敢えて外し、夕方からの開催としたこと。
三つめは、昨今世の中を騒がせている新型コロナウイルスによる周囲の開催自粛の波をどうとらえるか、ということ。

同じ回を2度行うとはいえ、会自体の構成がその1と全く違ううえに、手に入る食材もそろそろ季節の境で変わってきてしまうこともあって、店主は急遽「その2」のための献立を作成することに。
また、毎回目玉である酒蔵見学を敢えて外したことで、それに代わる目玉をどうするかということも頭を悩ませました。
そして、新型コロナウイルス。誰に説明しても納得してもらえるように、出した結論が「開催」でした。こちらも、結果から言えば、お申込みしてくださったすべてのお客様が参加してくださいました。最初にほっとした瞬間でした。

さて。
お客様が集まり始めたころ、まずは今回の目玉になるはずの、当店で寝かせた「新玉の酒12年熟成」がお客様にお出しできる状態かどうかを矢澤酒造店さんの矢澤社長・藤井顧問に確認していただくところから始まりました。

ここでOKが出なければ、残念ながら目玉がない今回の会ということになるので、なんとも言えない緊張感がありました。

「なかなかいいんじゃないでしょうか?」「良く冷やしてお出ししたほうがいいと思います」

よかった!ほっと胸をなでおろし、同時にこの会の成功が目に見えた気がしました(笑)

店主あいさつに続き矢澤社長よりご挨拶、乾杯酒「銀箭」のご紹介を。

第1部は「勉強会」。事前に矢澤社長と藤井顧問に料理をご試食いただき、ぴたりと合うお酒を選んでいただきました。

当日のセットリスト。メニューというよりセットリスト、といった方がぴったり。それぞれに合わせるお酒もご紹介しています。

…残念ながら、料理の写真はありません(涙)が、「南郷応援隊」さんのレポートにてご紹介いただいておりますので、ぜひご覧ください。
第一部 勉強会では3種の特徴あるお料理に、南郷のお酒を。

「いちごの白和え」甘酸っぱい矢祭産のイチゴを白和えに。フルーティないちごの香りとさっぱりした味わいが楽しめる一品。
こちらには、同じくフルーティな香りを楽しむために作られた「大吟醸『月と虹』」を。

お客様によっては、いちごを口に含んだままお酒を流し込むといちごの美味しさが倍増したとか、白和えを食べた後に月と虹を飲むと、フルーティな香りがさらに際立つとか、様々な感想が聞けました。

「ホタルイカガーリックバター 油麩添え」 ハーブとにんにくの効いたバターでホタルイカをソテーし、バゲットに見立てた油麩(仙台麩)を焼いたものに乗せて召し上がっていただきました。イタリア料理の「ブルスケッタ」(焼いたパンににんにくをすりこみ、オリーブオイルやトマトなどをトッピングした料理)のようなイメージです。
ニンニクとハーブの強い香り、コクのあるホタルイカのワタの味わい、そしてバター。こちらには「南郷生詰吟醸」を。透明感のある飲み心地、澄み渡る吟醸香が特徴のこちらを飲んでいただくと、口の中がすっきりさっぱりとしますよ、とのことでした。

「特製グリーンカレー」香りも複雑でスパイシーなグリーンカレー。先ほどのホタルイカに続き、ちょっとさかな家らしからぬ2品が続きました。これは、以前矢澤社長・藤井顧問と「南郷のストライクゾーンの広さ」についてが話題に上がり、それを体感してもらえるのは敢えて和食から離れた料理と合わせてみたらどうだろうという話をしたからです。
こちらに合わせるのは、南郷の定番酒の一つ「南郷純米酒」の常温。癖のあるグリーンカレーではありますが、もともとご飯と食べておいしいものは南郷に合うということをお客様に体感していただけたのではないかと思います(そう思えば、ホタルイカのワタの旨味はご飯とよく合いますもんね)。
お客様に伺うと、純米酒を飲むことで辛味の奥のカレーの美味しさを感じられるし、純米酒の甘味を強く感じられるとのことでした。

ここで藤井顧問があえて「南郷ひやおろし」をお客様に勧められました。すっきりした辛口のひやおろしは当店でも人気の銘柄の一つです。
カレーの風味を口に遺したままひやおろしを飲むと、「あれ?さっきの純米酒みたいに酒の良いところがあまり感じられない」「苦みのようなものを強く感じる気がする」という声が。

基本的にお酒は「楽しくおいしく」が大切で、「○○すべき」というようなうんちくを語って堅苦しく飲むものではありません。
でも、こうやって実験的にいろんなお酒と合わせることで、料理とお酒のマッチングと新しいお酒の楽しみ方を体験していただけると、もっと気楽にもっといろんなお酒を楽しめるんじゃないかなという思いで組み合わせた次第です。

このころになると、皆さんも和気藹々と会話が弾み打ち解けた雰囲気になってきました。

そのまま続けて「第二部 宴」へ。
やまつりの恵みをふんだんに使い店主が腕によりをかけてご用意したお料理と南郷のすべてのお酒を自由に楽しんでいただきました。
一応、お客様にお配りした献立にはそれぞれの料理に「これを合わせるといいかも」というお酒のセレクト例を載せてみました。
どうやら勉強会で皆さんマッチングの妙を心から楽しんでくださったようで、ご自身が好きなお酒・飲んでみたいお酒も選びつつ、矢澤社長セレクトのお酒も試して「ああ、これもいいね」といった具合にお楽しみいただけたようです。

酒蔵見学はないけれど、少しでも酒造りの現場の雰囲気を感じられるものを…とお借りした、かつて使用していた道具たち。
宴の途中で、それらについて藤井顧問からご紹介いただきました。
かつてはそれぞれの道具を、町内の桶屋さんに作ってもらっていたそうです。
今は消えてしまった、「やまつりの恵み」の一つと言えます。

また、今回の目玉となった「新玉の酒 12年熟成酒」も登場。
開店5年目、店主36歳の年の新玉の酒は、藤井顧問にとっては還暦の記念すべき年の一本だったそうです。

12年前の新玉の酒は、町内高野谷地地区で栽培された「チヨニシキ」で醸されたのだそう。
現在の新玉の酒は美山錦で醸されています。
お客様方からの計らいで、最初の一杯は子年生まれの藤井顧問と店主の幼馴染で酒屋さんでもある宗田さんに飲んでいただき、その後皆さんにふるまわせていただきました。
トロリとして少し琥珀色になった新玉の酒ですが、ヒネたような匂いはなく深い甘みと旨味を感じました。

宗田さんによると、これは偶然にも店主が12年前お酒を保存していた場所が良かったからだそう。
日が全く当たらない冷蔵庫の中で、12年間ほぼ動かすことなく時がたった(これは本当に偶然です)ために、味が壊れたりすることなく良い保存状態で熟成されたのだそう。
保存状態が良い、というのは味わいにも反映されるそうで、「同じ冷蔵庫の中にあったとしても、(移動されやすかったり他のお酒を取り出す際の振動が伝わったりするような)場所にあったら、全く違う味になっていたかも」とのことでした。

初めて尽くしの「その2」でしたが、「その1」に続き、大変に盛り上がり、それぞれに貴重な体験をしていただきながら、南郷のお酒と矢祭の食材・食文化を活かした店主の料理を楽しみながら、「やまつりの恵み」を十分にご堪能いただけたのではないかなと思います。

今後とも、食を通じて矢祭の魅力を体感していただけるような取り組みを続けていきたいと思います。

その1・その2を通じてご参加いただいた皆さん、全面協力をしていただいた矢澤酒造店の皆さん、そして長きにわたるご報告を最後まで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。

ありがとうございました!

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