ベロシップ、ってご存じですか?
平野レミさんオリジナルの言葉です。
「味覚で家族が繋がって、絆を強くすることを、私は”ベロシップ”と呼んでいます。(中略)忙しくてスキンシップが足りないときでも、家族に心のこもったお料理を作っていれば、知らず知らずのうちに強い絆で結ばれていくんじゃないかしら」
平野レミ『家族の味』(ポプラ社)より引用
レミさんは「私はシェフじゃなくて、シュフ(シュフ)だから」と、家庭料理を大切においしいものを家族に作って食べさせることを大切にされています。
当店の料理はそういう意味ではレミさんの定義から一部外れてしまいますが、「味覚で家族がつながって、絆を強くする」というという意味では、ベロシップの場所の一つになるんじゃないかなと思います。
先日法事の会食ということであるご家族が来ました。当店の常連さんです。
というか、今や社会人1年生であるお兄ちゃんは、まださかな家ができる前に店主の作るだし巻き玉子を食べた(そしてその後ファンになってくれた)第1号にして最年少(当時4歳)のお客様でもあります。
折に触れてご家族でいらして、家族の団欒を楽しんでくださったお客様。
お子さんたちが成長し生活スタイルが変わったり、ご兄弟の上の子たちが進学を機に家を離れた後も、ちょくちょくいらしてくださっていました。
…コロナの前までは。そう考えると、お子さんたちは2年以上ぶりのご来店ということになりますね。
(今更ながら、道理でみんな大きくたくましくなってたわけだと気づきました・苦笑)
「ハンバーグ、懐かしいなあ。ハンバーグ丼ごはん大盛りで食べたよな」
「俺はいつもブラマンジェ(白ゴマのぶらまんじぇ)食べたかったんだけど、いつもなくて柚子シャーベット食べてた」「そうだったそうだった(笑)」
「たこ吸盤(唐揚げ)もうまかった」
ご家族でさかな家のお気に入り料理を次々と挙げてくださって、そのたび会話が弾んでまた次の思い出話が出てきて…
「そうそう、お月見泥棒のアレ(たぶんマラサダのこと)も好きだったなあ」「去年はエビフライだったんだよ」「お月見泥棒の時はまずさかな家と赤ちょうちん(以前お隣にあった焼き鳥屋さん)を押さえておかないと、遅くいくと無くなっちゃってたりしてたんだよな…」
(お月見泥棒についてはこちらを→ 9/21 今年のお月見泥棒(懐かしい思い出とともに) )
次から次へと出てくる話を、ニコニコ聞いているおばあちゃんの笑顔。
そうだそうだと相槌を打つお父さんの表情。
そんな姿を見ながら「ベロシップここにあり」と思ったのでした。
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