今回はまかないで時々作るシーフードカレーをご紹介。
◎エビの種類や殻や頭の量はこだわりません。あくまであるもので作るのがまかないですので、ざっくりと作っています。
例えば、家族分のエビフライやエビグラタンを作るとき、シーフードミックスを使えば便利でかんたんだけど、あえて殻付きのブラックタイガーを使ってみて、剥いた殻を袋に入れて冷凍したりしておけば作れます。
◎ エビ殻の出汁を煮出すときは、あんまりたっぷりの水を入れない。
エビ殻の出汁は殻の量が多ければ多いほど濃厚になります。でも、ご家庭で作るならそんなにたくさんのからは用意できないですよね。
(もちろん、殻が出るたび冷凍保存するという方法もあります)
カレーはたっぷり作りたいし、そうすると水の量はたくさんいるし…というときは、エビの殻がひたひたになるほどの水で煮出して、少量の濃い出汁を作るといいです。
足らないぶんは普段通り水を加えて煮ても、シーフードカレーの風味がよく出ますよ。
とにかく、今回は魚屋ならではのまかないのご紹介なので(笑)興味があれば作ってもらえたらと思います。
**おかみのひとりごと**
魚屋ならば、いつでも食べたいときに食べたいだけ新鮮な魚が食べられるだろう…そう思っている方が多いかもしれませんが、実際はそれはなかなか難しいです。
旬の時期のサンマやカツオは、あっという間に売り切れてしまうので口に入ることはめったにないし、逆にいつまでも売れない時は賄として口に入るころには鮮度が落ちてしまうこともありますから。
物心つく前から魚を食べるのが大好きだった私。
魚屋に嫁ぐときは「いつでもおいしい魚が食べられる!」とこっそり喜んでいたものですが、現実はなかなかそううまくはいきません。
でも、そんな中うれしいのは、「お客さんが買わないもの」「売り物にならない(売り物にしにくい)もの」でいろいろ実験的に料理を作ってまかないとして出せること。
売り物を使って実験するのは、万が一おいしくできなかったらもったいないけれど、そもそも売り物でないものなら失敗してもあきらめがつくし、おいしかったら喜びも倍増。
エビ(ブラックタイガーが多い)は今回のように仕出し料理が続いたときだけでなく、テイクアウトメニューとして人気のエビフライを出したときにも大量に殻をむくので、比較的挑戦しやすかったです。
洋食のシェフがアメリケーヌソースを作る様子をテレビで見たときに、いつかやってみたいと思ったので、そのイメージで何とか簡単にまかないでエビの殻を使えないかなあと思っていたのでした。
私が見たアメリケーヌソースの作り方ではお鍋でエビの殻や頭を良く炒め、そのあと香味野菜などを加えて煮込み最後に漉すというもの。
今回は殻は炒めず、仕出し料理でオーブンを使ったついでに天板に広げてカリッカリに焼きました。
鍋で炒めて作ることもできますよ。
ただしその場合、炒め方が甘いとうまみより生臭みが出たように感じたので、やはりカリッカリになるほどまでよく炒めるのがポイント。
良く焼けた(炒め上がった)時、あの、やめられないとまらないの「〇っぱえびせん」みたいな食欲そそる良い香りがします。
なかなかご家庭で大量のエビの殻を手に入れるのは難しいかもしれませんが、エビを購入した際にちょっと出た分を冷凍して貯めてもいいと思うし、少量の殻なら水を少しにしてエビのエキス状の出汁を作り、水に加えて作るだけでも、いつもと違う風味が広がると思いますよ。
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