ある日、お客様からこんな声が聞こえてきました。
「ほんのちょっとの段差でも、気を付けないと危なくて」
お店の真ん中にある、ほんのちょっとの段差。
床材がはがれてコンクリートがむき出しになっているこの場所、20年近く前には平らな冷蔵庫が設置されていた場所でした。
設備の真下にあたるここだけ、床材を貼らなかったようです。
これまでも、店主の両親がなんどか店内のレイアウトを変更してきたらしいのですが、その際にかつて隠れていた部分が表に出てきたために「ほんのちょっとの段差」がうまれていたのでした。
年月が過ぎ取り扱う商品も少しずつ変わってきてはいましたが、コロナ禍の影響をきっかけにより「おいしいお魚を提供できる店にしたい」という思いが強くなって、更に魚以外の商品の見直しを進めたことにより、不要な商品陳列スペースが増えてきていました。
また、一方で、使い捨ての器などを片付けておく場所が足らなくて困っていたこともあり、「旨くお店のスペースを使えないかな」とずっと思っていたところに、お客様からの声。
これがまさに鶴の一声となり、思い切って大胆にお店の模様替えを決行。
床材をはがした部分を通らなくても済むように、なおかつご来店の際取扱商品を一目で見渡せるようなレイアウトにしました。
なんとこちら、営業中の模様替えだったのですが(苦笑)、なかなかの良い配置ではないかと思います。
驚いたのは、この棚の配置に気づいて声をかけてくださったお客様が最初ほとんどいらっしゃらなかったこと。
入口正面にある鮮魚コーナーを目指して中に入っていらっしゃるからか、その脇の棚の変化に気づかれなかったようです。
なかなかの重労働ではあったので気づかれなかったときはちょっと寂しくもあったのですが、それだけ皆さんがおいしいお魚を目指して当店にいらしてくださってるんだなと再確認することができ、とっても嬉しいエピソードとなりました。「
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