素敵な偶然。

去年の春、たぶん震災後だと思うんだけどせっせと作って冷凍しておいた、自家製いちごアイスクリーム。
1年前、「これ、店で売ればいいのに」とおっしゃってくれたお客様がいる。
メニューの一つじゃなく、「アイスクリーム」として販売してみろ、売れるぞ、とおっしゃった。
とはいえ、いきなり言われても・・と、カップ代わりにイクラを冷凍保存したり塩辛を売ったりするときに使う透明なカップを使って、作り方も作る量もは一切代えないで、作った。
その後、そのお客さんは本当に買いに来てくれた。
しかも、大量に。
「この前みんなに食べさせたら旨かった、って喜んでたから」と、決して安くはない、「手作り感丸だし」そのアイスクリームをあるだけ全部。

「これ、売れるぞ。絶対売れよ」といってくれたその人に、私はなぜかかわいがられてた(と思う)。
お店に来たときに、どこかで偶然会ったときに、いろんな話をしてくれた。
たまたま偶然参加したイベントの準備の時には、イベントを企画するときの運営面のいろんなことや、「組織ってのはな」なんてことまでいろいろ教えてくれた。

その人は、もういない。

結局去年はいろいろあって、そのアイスクリームを「商品」として大々的に販売することは、なかった。
最近になって、オットはそのアイスクリームを宴会のデザートとして使うようになった。
カップに入った、そのままの形で。

今日。
「お客さんが、もしあるなら買って帰りたいって言ってます」と、パートさんが言った。
オットは(まだ実は大量にあるのに)「6個までだったら、なんとか」と答えた。
「全部欲しいって事です」とパートさん。
いや、珍しいこともあるもんだね、なんて少し笑ってパートさんに聞いた。
「どんな人?」

「めがねをかけた○○さんという方です」。
・・・びっくりした。
私がお世話になった、「アイスクリーム売ればいいのに」といってくれたその人と同じ名前だったから。
そしてその人も、めがねをかけていた。

もちろん、全くの別人だし、それはたまたま偶然だったのだろうけど
なんとなく、あの人が「がんばれよ」といってくれたような気に、今はなっている。

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