1年を締めくくる「さかな家のおせち」が完成しました。
今年はおかげさまで11月下旬よりお店が忙しく、なかなかおせちの仕込みに手を回すことができずにいました。
「間に合うのかわかりませんよ」とお客様には冗談で言うことがありますが、今回こそ「本当に、間に合わなかったらどうしよう」と思ったことはありませんでした。
その分、おせちの仕込みに集中するための臨時休業をいつもより長めに設定させてもらいました。
何度も何度も問い合わせのお電話をいただき、本当に申し訳なさでいっぱいだったのです。
が、「おせちの仕込みでお休みにしています」というと皆さん「じゃあ仕方ないね」と快く受け入れてくださり、ありがたかったです。
今年は、秋雨の長さやその後の天候の悪さがおせちの食材の仕入れにものすごい影響がありました。
魚類に関していえば、それに加えてもろもろの国際的な課題がかかわるような話もありびっくりするくらい値段が高騰していました。
おかげさまで当店はお世話になっている業者さんにご尽力いただきどうにか事なきを得たところです。
人の縁、地の縁を感じた1年の締めくくりです。
さて、今年のおせちです。
画像は小さいのですが、クリックするとそれぞれに大きくなりますよ。
さかな家のおせち 三段重
《祝い肴と口取り》(左上より)
飴かけくるみ 田作り 五色なます柚子釜
伊達巻 丹波黒豆紅白千代呂木 紅白蒲鉾
あけぼの巻き 松前サラダ 数の子土佐漬 栗金団
「ザ・おせち料理」という大定番の中に、いくつか楽しさを加えるべくオリジナル料理を一緒に盛り込みました。
あけぼの巻は、酢で軽く締めたサーモンを同じく酢につけた大根のかつらむきで巻いたもの。色鮮やかにニンジンやキュウリなども一緒に入っています。さっぱりしたサラダ感覚の一品。
田作りや栗きんとん、そして店主が一番気合を入れる黒豆は、毎年作っているのですが、毎回少しずつ試行錯誤を繰り返して「以前よりおいしく」を目指しています。
《焼き物と酢の物》
さわら西京焼 鮎茶干しの炙り アワビ酒蒸し
飛騨牛和風ロースト いくら土佐醤油漬け 金柑蜜煮
干し柿のクリームチーズ巻き 酢どり茗荷
やまつりコロッケ 鶏けんちん焼き
漬けさしこん もろこし豆腐 菊花かぶ
豪華な食材の中に、たくさんの「やまつりの恵み」を盛り込みました。
今年1年を振り返ってみると「やまつりの恵み」に関わる機会がかなり増え、新作メニューもいくつか考案しました。「鮎茶干しの炙り」は、鮎独特の香りを活かしながら鮎の新しい魅力を引き出すという狙いで考案したものです。また、「やまつりコロッケ」は当店で数年前からお出ししている「こんにゃくビビンパ」「こんにゃくナムル」をより気軽にお楽しみいただくために考案したメニューです。どちらも、おいしくできましたよ。
《煮 物》
活車海老旨煮 鰊昆布巻 合鴨潮煮 糯米団子
ブリ南蛮漬け 栗渋皮煮 寿留女と里芋の煮物
くわい黄金煮 牛肉八幡巻 大和芋磯部揚げ
ごぼう 梅ふ 椎茸 れんこん たけのこ
菜花 こんにゃく 梅花人参 絹さや 木の芽
にぎやかなお重になりました。
定番の煮物のほか、ひと手間かけた料理の数々です。
今回注目は昆布。いつもお世話になっている「だし司浜喜」さんで購入した最高級の昆布は、厚みも柔らかさも、そして味わいも素晴らしく、いつも以上のおいしさに仕上がっているのだそう。是非ご賞味くださいね。
昔ながらのおせちというと、砂糖と酢をたっぷり使って濃い味付けのものも多いですが、ここには合えてシンプルな味わいのものも一緒に盛り込んでいます。コントラストが楽しいかもしれません。
さかな家のおせち 二段重
《祝い肴と口取り》(左上より)
飴かけくるみ 田作り 五色なます柚子釜
伊達巻 丹波黒豆紅白千代呂木 紅白蒲鉾
あけぼの巻き 松前サラダ 数の子土佐漬 栗金団
こちらは三段重と同様の内容となっています。
《焼き物と酢の物 煮物》
サワラ西京焼 海老若菜焼 いくら土佐醤油漬け 鮎甘露煮
鰊昆布巻き 合鴨潮煮 アワビ酒蒸し
やまつりコロッケ 酢どり茗荷 もろこし豆腐
菊花かぶ 糯米団子 ブリ南蛮漬け 栗渋皮煮
くわい黄金煮 牛肉八幡巻 大和芋磯辺揚げ
梅ふ 里芋 椎茸 れんこん たけのこ こんにゃく
梅花人参 絹さや
三段重に盛り込んだものの中からいくつか厳選したお料理が中心で盛り込んでいます。
なるべくたくさんのものを盛りこみたい！という店主の厚い気持ちが形を成したからか、実はちゃんとふたがしまらないほどのボリュームになってしまいました(苦笑）
三段重にも入っている「糯米(もち米)団子」、糯米は友人からいただいたもの。
玄米でいただいたので、使用する直前に家庭用精米機で精米し、使いました。
米の食感が楽しい一品に仕上がっています。
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