23年目最初のお客さま。

ひとりごと
すわの杜公園で(2019年)

おかげさまで9月6日、開店22周年を迎えました。
すっかり忘れていて、同じ年の10月に開店した珈琲香坊さんに「おめでとう」と言われて気づく始末。
慌ててSNSで報告したところ、びっくりするほど多くの反響をいただき恐縮至極。
みなさんが(当の本人たちが忘れていたにも関わらず)記念の日をお祝いしてくださって、なんだか改めて色んな場面で人や場所のこ゚縁をいただき支えてもらってきたなあと思った次第です。

 

さて、そして今日。23年と1日目の今日。
おひるごはんにお客様をお迎えしました。
川内村のとある女性団体の皆さんでした。絵手紙作品の鑑賞に矢祭町を訪れると言う計画を立てられた際、食事場所として偶然当店を見つけられたんだそうです。

 

川内村には、ちょっと特別な思いがありました。
ちょうど10年前、2015年から参戦している、県内周遊謎解きイベント「コードF」シリーズ。
無料配布されている冊子に書かれた地図と手がかりを元に謎を解き、宝物を探すというものです。
震災以降「もっと福島県のことを知りたい」と言う思いを強く持った私達は、偶然娘が学校からもらってきたコードF-5の冊子をきっかけに、あちこちに出かけることになったのでした。

 

川内村は。
私達にとって初めて訪れた「震災、原発事故で避難指示が出た自治体」でした。
当時、私自身こう記しています。

初めて川内村を訪れた時、村民よりも除染や復興事業の作業員の人の車が多く行き交う様子や、震災後そのままの状態で誰も帰ってきていないような家や、田んぼ「だった」場所に草が生い茂る様など、ニュースの画面に出る「大変な思いをしている村の様子」をたしかにたくさん目にしました。

でもそれ以上に、景色の素晴らしさや人の優しさにたくさん触れて「いい村だな」「また来たいな」と思える部分がたくさんあった。
震災で大変な思いをされている(いた)のも事実なら、私が感じた「また来たい」も事実。
変な思い込みや過去目にした物に縛られず、ふらっと街を訪ねて良いところをたくさん見つけていきたいな、と強く思いました。

(下は初めて訪れたときから撮りためた、川内村の旅の記録。キャプションを付けているので画像をタップ/クリックしてご覧ください)

その後、コードFシリーズは毎年続き、そのたび私達は新しい町を訪れることになりました。
震災当時のままの壊れた建物が残る場所、除染土が積み上げられた場所、帰還困難区域を示す看板…そういうのを目にすることもありましたが、「可哀想」「大変だ」じゃなく「また来たいな」と思える素敵な場所や人との出会いを素直に楽しむことが出来ました。
そう思えるきっかけをくれた川内村は、我が家にとっては特別な場所です。

いくつか撮りためた写真のうち、上の2枚は結構特別。
最初に訪れた諏訪神社のすぐ下に広がるすわの杜公園で健康遊具を楽しむ親子(笑)

実は、今回来てくださったお客様は、皆さんこの公園のそばにお住まいだということが判明。不思議な御縁って本当にあるんだなと思わずにはいられないご来店となりました。

 

お食事の後、皆さんと色んなお話をさせていただきました。
皆さんハツラツとしていらして、川内村で感じた人の優しさや温かさをさかな家でも感じられて嬉しかったです。
私は、村に対する思いが溢れてしまい後で反省しきり(苦笑)

どんなお客様でも、当店を選んできてくださることは本当に嬉しいし光栄なことなのですが、23年目に初めてお迎えしたお客様がこうした御縁だったことにひどく感激した一日となりました。

矢祭町も素敵ですが、川内村も本当に素敵です。
機会があったらぜひ訪れていただきたいところです。
私達も、今日お話を聞いてまた行きたいなあと思います。
本日はご来店ありがとうございました。

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