ジンクスのはなばなし。

ひとりごと

当店では開店当初から不思議なジンクスがありました。
それは「お誕生日ジンクス」。

特に公表しているわけでもないし、「○月○日は店主の誕生日ですよ〜」とアピールしているわけではないのです。
が、不思議と店主やおかみの誕生日の前後は天気や曜日に関わらずご予約が集中し、お陰様で忙しく過ごせるという…ジンクス。
もちろん「ジンクス」ですから外れるときもあるのですが、なんとなく忙しい雰囲気が調理場や店内にふわっと漂ってくると「おっと今年もジンクス的中した〜」とお客様からお祝いしていただいているような気分になっていました。

そんなジンクスも、コロナ禍では流石に通用せずさかな家は静かな日々が続いていました。
丸安魚店ではお誕生日の前後に忙しくなったとしてもそのジンクスのおかげとは思いにくく、「今日は忙しかったな〜」と普通に思うくらい。

 

ですが。

 

お誕生日ではなかったのですが、久々に「おっとジンクス発動したか?」と思える数日間がやってきました。

ご来店ではなく、オードブルや各種仕出し料理のご注文です。
下はジンクス期間(笑)にご注文いただきご用意した料理の一部です。

年度末の送別会代わりの豪華なお弁当というご注文から、お仕事先から職場の皆さんでまとめて注文をしてくださるなど多岐にわたるご注文が連日続き、店主も嬉しい悲鳴。

もちろん年度末(そして年度初め)という特別な期間だからというのが本当の理由でしょう。

でも、我が家にとっては「これはきっと『旅立ち応援』ジンクスだ」と話しています。
3月、高校を卒業した娘が専門学校進学のために4月2日に一人東京へ向かいました。
絶賛反抗期だった過去数年は、頼み込んでも横目でチラとも見ることもなく、当然調理場に入ることも殆どなかった娘。
進路が決まった昨年末あたりから、今度はびっくりするくらいの大活躍で影に日向に私達を支えてくれました。
そんな娘の巣立ちに合わせてやってきた「旅立ち応援ジンクス」はコロナ禍で営業形態が変わって以来一番の忙しさ。
娘も、私達が長年信じてきたこのジンクスを知っているからか、「これはみんなが頑張れって思ってくれている気持ちの表れだね」と話すと、何も言わずうなずいていました。

 

娘を見送ってから眺めた水戸市千波湖の満開の桜。

3月の末に1度お世話になる学生寮に簡単な荷物を運び入れ、一旦矢祭に戻り、4月2日水戸で見送って一人で上京した娘。
心配していた乗り換えも難なくこなし、私達が矢祭に戻るのとほぼ同じ頃学生寮についたそうです。

出発の前日までたくさんのお客様からの「応援」を頂き、仕出しの盛り付けを頑張ってくれた娘。
これからは、自分の興味の赴くままいろんなことに挑戦し、夢に向かって頑張って欲しいと思います。

 

さて。

2日はというわけで午前中は店をお休みして娘を水戸まで送り届けたのですが。

「ジンクス」はまだ終わっていませんでした。

お店に帰ってきた私達を迎えてくれたのは…たくさんのご注文!
お刺身やお寿司、手巻き寿司ネタなど次から次へとご注文をいただき、店主は帰るやいなや大急ぎで魚をおろし、次々と切りつけていました。

…こちらは短期集中でご注文、切りつけ、お渡しとなったので、ほとんど写真に残せなかったのですが…これまた想定外の大忙しとなりました。

多分こっちは、私達への「応援」。「娘っ子がいなくなっても、寂しがってないで頑張るんだぞ〜」と言うお客様のエールだと思って、また頑張っていこうと思います。

 

こちらにいるうち、店番や手伝いをしている娘に激励の言葉をかけてくださったお客様が大勢いらっしゃいました。本当に地域の子供として大事にしてもらってきたんだなあと改めて感じていた次第です。

本当にありがとうございました!

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